全国英語教育学会を振り返る

8月7日、8日に関西大学にて、第36回全国英語教育学会が開かれました。僭越ながら私も発表させていただきました。発表に来ていただいた皆様ありがとうございました。今回の発表は発表時間20分、質疑が5分と、多少質疑の時間が短いような気がしましたが、膨大な数の発表者と円滑に学会を進めることを考慮に入れると仕方のないことなのかもしれません。

Guest speakerとして今年はPica先生が来日されました。論文ではよく名前を拝見しますが実際に合うのは初めてでした。午前、午後と講義があったのですが、午前中はPica先生の真正面の一番前の席に座ることに。かなり緊張しました。午後は反対に後ろの方へ座りご飯を食べながら聞いていました。午前中はSLAの歴史の概観と教室で使えそうなタスクのお話。午後は実際にタスクを見ながらお話ということでしたが、音声が非常に聴き取りにくく、ハンドアウトを中心に学習していました。

自由研究での発表を聞いていて思ったことは、本当に色々な発想を持って研究をしているのだなということ。実験の内容の善し悪しはともかくとして、研究に至る発想がオリジナリティ溢れるものが多く驚きました。もう一度予稿集を眺めながら勉強しなければなりません。また、発表が終わったら今度は論文が待っています。こちらが本当の勝負になるのでしっかりがんばりたいと思います。

*ハンドアウトは近日中にアップロードします。

今年の学会で得たことまとめ 2010

さて、先日の学会ではたくさんのことを得るものがあったことは前回のエントリーでも書きました。今週は忙しくてまったくブログを更新できませんでしたが、今年得たものとは何だったのかを備忘録を兼ねて書いておきたいと思います。

1) 気付きをメモにとった

今回は学会の発表を聞きながら、その発表の内容を勉強するというよりはむしろ、その発表を聞いて自分が考えたこと、感じたことをメモに残すよう心がけていました。毎回たくさんの発表を聞くのですが、その直後にほとんど忘れてしまい知識として全く残らないことが気になっていました。また、本当に興味がある分野の研究は紀要で読むので、発表内容自体は後でゆっくりと振り返ることができます。それよりも自分がその場で考えたことや感じたことをきちんと記録しておくことのほうが後々役立つのではないかと思い実践しました。結果、以前よりも得たものが大きいと感じることができました。自分の考えをきちんと記録しておくことは今後も実践しようと思います。

2)1つ1つの論文をもっと読み込む

読書の量も質も非常に大事なことを実感しました。優れた先生方は論文を読みながら、著者がどのような立場の考え方を持っているかをきちんと把握しています。また、Aという研究者はBという考え方に近いのだな、などと、論文を1つの上の次元から解釈できているように感じます。僕は論文を読んだらその内容を押さえるだけで精一杯ですが、もっと量を減らしてでも、1つ1つを読み込み、完全理解を目指す必要がありそうです。

3)効果がある場合、ない場合と分かれる場合、どのような要因が考えられるか、を考える

先行研究を読んでいて、すべての研究が同じような結果を導いているということはほとんどありません。ほとんどが実験の結果が分かれたり、著者の考えが分かれていたりします。そのようなとき、違った結果がでた要因を調べることが一歩研究を進める上で役に立ちそうです。