Rのお勉強

本日仕事が終わってからは、いつものカフェで統計のお勉強。最近はPCを新調したこともあり、統計ソフトRをこれから使用できないかと思い、Rのお勉強をしています。Rはオープンソースの統計ソフトで誰でも無料で使用することができます。統計ソフトとしてはSPSSというソフトがとても便利ですが、個人で購入するには非常に高価なこともあり、Rへの移行を考えています。

Rは無料という点はすばらしいですが、SPSSのようないわゆる「クリック統計」に慣れ親しんだ僕のような人間にとっては非常に難しく感じるソフトです。一つ一つの計算をプログラムとして打ち込んでいかなければならず、手間がかかると言えば手間がかかります。しかし、一つ一つのステップを十分に考えながら打ち込まなければいけないこともあり、使用したい統計手法をステップごとに勉強していくことができるような気がします。統計処理の過程で「なぜこの計算をしなければいけないのか」ということを考え、統計の原理を理解するよう努めることで、統計の基礎的な知識を身につけると同時に無料で統計分析ができるようになると思います。

言うは易し、行うは・・・ですが、少しずつ地道に使いながら覚えていこうと思っています。

Rはこちらからダウンロードすることができます。無料です。

http://www.r-project.org/

Park, S. (2010). The influence of pretask instructions and pretask planning on focus on form

プリタスクプラニング、プリタスク時の指示と学習者の発話中のfocus on formとの関連を調べた論文です。

実験参加者は韓国人大学生110名で英語学習経験は平均11年。用いたタスクは写真描写タスク(6コママンガの説明)で、この辺りは他の先行研究とほぼ同じといったところでしょうか。独立変数として、Instruction types (general instruction か specific instructionか)、planning conditions ( + planning / – planning ) 、language focus (lexical focus / morphosyntax focus )が用いられました。従属変数ではlanguage related episodes (LRE)が用いられました。この研究が他の先行研究と異なる点は、先行研究が発話のproduct面、つまり流暢さ、複雑さ、正確さを測定して来たのに対して、この研究では学習者のLREを測定したところです。

結果として以下のことが分かりました。

(1) 学習者はinstruction typesやplanningの有無にかかわらず、同程度の量のLREを表出した。

(2) instruction typesやplanningの有無にかかわらず、学習者はmorphosyntactic LREよりもlexical LREをより表出した

(3) specific instructionを行ったときの方が、general instructionを行ったときよりもmorphosyntactic LREをより表出した。

この結果だけを見てみるとinstructionの種類を変えることで学習者の注意の方向をある程度コントロールできる可能性が示唆されますし、実際著者もしているように思います。また、planningそのものはLREの量に影響を与えなかったことも新たな示唆と言えそうです。

全国英語教育学会を振り返る

8月7日、8日に関西大学にて、第36回全国英語教育学会が開かれました。僭越ながら私も発表させていただきました。発表に来ていただいた皆様ありがとうございました。今回の発表は発表時間20分、質疑が5分と、多少質疑の時間が短いような気がしましたが、膨大な数の発表者と円滑に学会を進めることを考慮に入れると仕方のないことなのかもしれません。

Guest speakerとして今年はPica先生が来日されました。論文ではよく名前を拝見しますが実際に合うのは初めてでした。午前、午後と講義があったのですが、午前中はPica先生の真正面の一番前の席に座ることに。かなり緊張しました。午後は反対に後ろの方へ座りご飯を食べながら聞いていました。午前中はSLAの歴史の概観と教室で使えそうなタスクのお話。午後は実際にタスクを見ながらお話ということでしたが、音声が非常に聴き取りにくく、ハンドアウトを中心に学習していました。

自由研究での発表を聞いていて思ったことは、本当に色々な発想を持って研究をしているのだなということ。実験の内容の善し悪しはともかくとして、研究に至る発想がオリジナリティ溢れるものが多く驚きました。もう一度予稿集を眺めながら勉強しなければなりません。また、発表が終わったら今度は論文が待っています。こちらが本当の勝負になるのでしっかりがんばりたいと思います。

*ハンドアウトは近日中にアップロードします。