Takuro について

福井高専一般科目教室准教授

2週間が経ちました。授業スタイルその後は

授業が始まって早二週間が経ちました。前回の投稿で授業スタイルについて考えましたが、その後の経過を書きたいと思います。

まず、all Englishの授業について。こちらは三回程授業しましたが、英語で授業をするという雰囲気に少しずつ慣れてきたように思います。こちらから英語で質問が飛んでくるので、それに答えるというスタイルです。基本的には①インタラクション形式で新出言語材料を導入かつ使っていく。教師対学習者の一対一のインタラクションなので、当てられてた学習者はいきなり新出言語事項を使うことが求められますが、こちらがどのように答えるかを支援しているので、答えに困ることは現在のところほとんどありません。同一の質問で学習者を変えてインタラクションしているので、聞いている学習者は何を聞かれて何を答えるかに焦点を当てて聞いているように思います。「分からない」を現段階ではあまり感じさせたくないので、質問→答え→very good のIRFパターンでのインタラクションになっていますが、現段階ではOKとしています。将来的にはfollow-up questionを加えたり同じ質問をクラス全体に問いかけたりすることで、話題を広めたり深めたりできるといいなと思っていますが、もう少し英語に対する慣れと表現のストックが必要となりそうです。

次に和訳先渡しについて。こちらは問題を与える→日本語を読む→日本語に該当する英語を抜き出して答える、というプロセスを学習者は踏んでいるように思います。課題の負担は軽いため、ほとんどの学習者が取り組めているようにおもいます。しかしながら、英語を実際にプロセスしているかどうかと言われるとかなり疑問が残るようにも感じています。和訳先渡し形式の授業では同一のパッセージを、タスクを工夫することで何度も読ませることは可能ですが、英語を実際にどのように学習者にintakeさせるかという点から考えるともう一工夫必要な気がします。

一応ここまでの実践の振り返りとして書きました。あまり頻繁にスタイルを変えることはよいことではないように思われるので、もうしばらくこのスタイルで様子をみてみようとおもいます。

授業スタイルを考える

さて、新学期が始まり授業も始まりました。今年は久しぶりの英語教育の現場復帰ということもあり、どのような授業スタイルでいくかを考え中です。

僕が現在教えている職場は英語を大学受験のために必要としている生徒が主ではないため、工夫しないと授業にはついてきてくれないように思います。proficiencyも高いとは言えない学習者が多いため、彼らが理解し何かを少しでも学んでくれる授業ができるといいとおもいます。

1~3年生すべての学年の授業に入っていますが、1年生は英語での授業、2,3年生は和訳先渡し方式での授業スタイルから入りました。これは、1年生がoral communication, 2, 3年生が英語の授業ということも考慮に入れて決めました。僕の学習者のproficiencyと教科書のレベルを比較して考えると、教科書のレベルがかなり高いので、「分からないからやらない」になってしまうような気がしています。従って、彼らにとって難しいテキストを如何に料理していくかがこっちの腕の見せ所なのかなと思っています。具体的に今考えていることは、1年生はWillis (1996)のTBLTのフレームワークが軸になりそうです。Willisのフレームワークを続けていく中で学習者に合ったスタイルを確立していけたらいいと思っています。一方、2,3年生は和訳先渡し方式で、英文の理解に時間をさくのではなく、英語にどれだけ触れられるかを考えていけたらいいと思っています。一度読んだだけでは間違いなく頭に残らないので、異なったタスクを複数行うことでその都度英語に目を通す量を増やし、結果として少しでも表現を学んでくれたらいいと思います。

今年はproficiencyが高くない学習者を中心にみているため、全クラスアクションリサーチするくらいの気持ちで取り組んでいかないとダメな気がしています。そのためにも授業記録をつけてきちんと自分の授業を振り返り、学習者ができること、わかることを扱いながら、限られた時間の中で如何に定着までもっていくかを考えなければいけません。もし定着が難しくても、「英語に親しむ」を目標に「英語の時間は楽しい、分かる」をとりあえずの目標に挙げて精進して行きたいと考えています。

iOS kindleのアップデートによって英語の多読が促進される

先日新しいiPadが登場しましたが、その陰でひっそりとiOS版(iphone版、iPad版、ipod touch版)のkindleがアップデートされました。日本の方にはうれしいお知らせで、今回のアップデートでは国語辞典(日本語ー日本語)と英和辞典(英語ー日本語)が内蔵されました。これにより、kindleで英文を読んでいる最中分からない単語に出くわしたら、その単語をタップするだけで、瞬時にその単語の意味が日本語で表示されます。

kindleには元々英英辞典が内蔵されており、単語を調べることは可能でした。ただし、英英辞典はある程度の習熟度を持った学習者を対象としているので、誰もがすぐに使いこなせるわけではないと思います(だからといって必要ないという問題ではありませんが)。英和辞典は英語を学習し始めた当初から皆が常に使ってきたツールだと思いますので、今回のkindleのアップデートは英語を学習する人にとってはとても心強いツールにを手に入れる素晴らしい機会なったのではないでしょうか。

kindleは電子書籍の他に雑誌や英字新聞も購読可能です。日本の英字新聞も読め、毎日新聞や朝日新聞が出しているようです(紙面通りの構成ではありません)、一部100円未満(2012/3/18現在)で購入できますし、定期購読をしても毎月1000円かからないので、良心的な値段で英語学習ができると思います。僕は今まで英字新聞をとっても読まないことが多かったり、学習に生かすのが難しかったりしたのですが、今回はkindleで新聞を購読して、多読の教材と、情報の収集源として使用しようと思っています。

iOS版kindleはiphone, iPad, iPod touchを持っている人だけでなく、iphone以外のスマホを持っている人、パソコンを持っている人も利用できますので、ぜひ一度トライしてみてください。