論文が出ました

論文がいくつか無事出版されましたのでお知らせします。

(1)山本長紀・南侑樹・藤田卓郎・谷野圭亮 (2021).「COCET研究論集第17号から第38号のシステマティックレビュー–研究テーマ・研究分野・研究方法の動向–」『全国高等専門学校英語教育学会研究論集』40, 147-156.

若手・中堅の高専教員が集まり、COCET研究論集の研究テーマ・研究分野・研究方法についてレビューした論文です。4人で研究方法について話し合う時間が大変勉強になりました。

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(2)藤田卓郎 (2021).「工業高等専門学校における理工英語を対象としたブレンディッド・ラーニングの探求的実践」『JACET関西支部紀要』20, 47-66.

高専3年生(実施当時)を対象にウェブ・ベースの学習と対面授業を組み合わせて行われた理工英語の授業について学習者の認識を探究した実践研究です。探求的実践 (exploratory practice, EP)、理工英語、ブレンディッド・ラーニングと初めて尽くしな研究ではありましたが、実践の途中あれこれ試行錯誤しながら授業に取り組めたため、充実した時間を過ごせました。率直な意見をくれた学生の皆さん、そして、本論文を書くきっかけをいただいた事務局の皆様に深く感謝します。

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(3)藤田卓郎 (2021).「高専の理工英語授業におけるブレンディッド・ラーニングについての学習者の認識」Annual Review of English Language Education, 32,177-192.

(2) で行われた実践研究を踏まえ、高専1年生を対象にブレンディッド・ラーニングを取り入れた理工英語授業を行った探求的実践です。上の研究と異なる点として、入学直後の1年生を対象としたこと、量的・質的両方のアプローチで実践を探究したこと、1年間継続して実践を行ったことがあります。こちらも実践の途中あれこれ試行錯誤しながら授業に取り組み、充実した時間を過ごすことができました。

ARELEはこちらから(最新版を除く)

発表資料@関西英語教育学会2019年度(第24回)研究大会

関西英語教育学会2019年度(第24回)研究大会にてお話しさせていただいた「英語教師のための実践研究法:自身の実践を対象に研究を行うためのポイント」のスライドを共有させていただきます。

発表後、たくさんの先生方に声をかけていただき、様々なコメントをいただけて大変ありがたく思っています。自分の中での新たな気づきもありました。実践研究もそうですが、ふと立ち止まって、自分の実践を振り返るきっかけにしてもらえていたらいいなあと思います。

英語教師のための「実践研究」ガイドブック

本が出ます。

田中武夫・髙木亜希子・藤田卓郎・滝沢雄一・酒井英樹 (2019).『英語教師のための「実践研究」ガイドブック』東京:大修館書店.

本書は、自身の実践について研究したい、実践研究を始めたいけどどうしてよいかわからない、という人たちに向けて書かれた、実践研究法の入門書です。浦野ほか(2016)『はじめての英語教育研究』の時と同様、中部地区英語教育研究法のプロジェクト「英語教師の質的向上を目指した実践研究法のデザイン」(2014-2017)がきっかけとなって本書が生まれました。

英語教育において、実践を研究するための手法を説いた書籍には

佐野正之 (2000).『アクション・リサーチのすすめー新しい英語授業研究』大修館書店

吉田達広・横溝紳一郎・今井裕之・玉井健・柳瀬陽介 (2009).『リフレクティブな英語教育をめざしてー教師の語りが拓く授業研究』ひつじ書房

三上明洋 (2010).『ワークシートを活用した実践アクション・リサーチー理想的な英語授業をめざして』大修館書店

玉井健 (2019).『リフレクティブ・プラクティス入門』ひつじ書房

があります。上記三冊は、僕自身が実践研究について学ぶために大いに活用しました。玉井(2019)は、自分自身がリフレクティブ・プラクティスについて体系的に学ぶための教科書的として活用しています。

本書は、英語教師が実践研究を始める際に、具体的にどのように研究を進めればよいか、に焦点を当てて書かれました。自分の授業実践について研究をしてみたいと思う方に、本書を手に取っていただければ幸いです。また、各章のコラムでは、主に学術研究と対比する形で実践研究における研究法の考え方について述べました。この辺りは実践研究法と学術研究の位置づけを考える際に役に立つのではないかと考えています。