書き起こしに重宝するソフトCasual Transcriber

Casual TranscriberはCasual Concの作者である大阪大学の今尾先生が作成されたソフトウェアです。学習者の発話を分析したり会話分析をしたりする際には、まず学習者の発話を聞いて書き起こす作業をしなくてはなりません。書き起こしという作業は中々重労働で、研究をする際にかなりの労力を取られます。現在行っている研究でも書き起こし作業が必要でしたが、先日ちょうどよいタイミングでCasual Transcriberの存在を知ることができました。しかも作者自らのデモ付きで。

Casual Transcriberは書き起こしに特化したソフトウェアなので、書き起こしを助けてくれる機能がたくさんついています。僕はすべてを使いこなせているわけではないのですが(むしろ多分ほとんど使いこなせていないです)、以下にCasual Transcriberが書き起こしのためにとても便利な理由を3つ挙げたいと思います。

– すべてが一つのソフトで完結する
これまでパソコンで書き起こしをするときには、メディアプレーヤーで音声ファイルを流し、適度な箇所で止めて、別のテキストエディタを立ち上げて聞き取った内容を書き、またメディアプレーヤーに戻る、という作業を繰り返していました。または、メディアプレーヤーでなくiPodを使用することもありました。このような手法を用いると「聞いて書く」という作業以外にしなければならないことが多く、結果として余計な負担がかかってしまっていました。Casual Transcriberはメディアファイルの再生とテキストの打ち込みがこのソフトで完結しますからこういった心配がありません。

– キーボードだけで必要な動作ができる
また、上記のようなメディアプレーヤの再生停止⇔テキストファイルへの移動はすべてマウスを使っていました。そうすると上述のように、マウスからキーボードへ移動するという余計な動作が入ってしまいます。たかがそれだけのことと思われるかもしれませんが、こういった入力デバイスのスイッチは意外と集中力を散らしてしまい、書き起こしを辟易とさせる一つの原因となってしまいます。Casual Transcriberは再生、停止はもちろん、3秒戻る、5秒戻る、といった動作までキーボードだけで完結します。これがCasual Transcriberを使いやすいツールにしている一番の理由だと思います。

– かゆいところに手が届く設定がたくさんある
例えば、再生時に音声をパソコン上でのボリューム調整以上に大きな音でならすことができます(これは本当に重宝しています)。また、タイムスタンプを書くことも可能ですし、再生速度の調整もできます。こういった要素は書き起こしには不可欠なのでとても助かります。

Casual Transcriberは以下のサイトからダウンロードできます。Macにのみ対応しています。ソフトは無料で配布されています。

https://sites.google.com/site/casualconcj/yutiriti-puroguramu/casualtranscriber

Mac OSX10.9で最初に開こうとすると、セキュリティの関係で開けないことがあります。その際には、

[システム環境設定]→[セキュリティとプライバシー]→[ダウンロードしたアプリケーションの実行許可]を開くと対処することが出来ます。

Rで作図するときの基本的なあれこれ

Rは関数一つで瞬時に作図できて便利なのですが、それは「とりあえず作図」できるというレベルであって、細かいところを修正していくには、様々なコードを組み合わせていく必要があります。一つ一つのコードを憶えていることは毎日Rを使うような人でない限り不可能(少なくとも僕には)なので、備忘録として勉強したことをまとめておきたいと思います。

まず普通にヒストグラムを作成します。今回はdat93allというところにデータが入っているものとします。

hist(dat93all)

上記の関数によって得られたグラフはこちらです
Rplot01

これを必要に応じて、以下のようなグラフに修正しました。

Rplot03

変更した部分は異化の内容です

グラフのタイトル

グラフの色

y軸の目盛幅

x軸のラベル

軸とラベルの間のマージン

使用したRのコードはこちら

hist(dat93all,main=”sample-histogram”,ylim=c(0,30),col=”blue”,breaks=c(0.5,1.5,2.5,3.5,4.5,5.5), xlab=”sample-x”,ylab=”frequency”,cex.lab=1,mgp=c(1.5,0.4,0))

 

hist(dat93all)だけのシンプルな関数から後ろにたくさん色々な指標をつけました。以下1つずつメモします。

# グラフのタイトルをsample-histogramとする

main=“sample-histogram”

# y軸の目盛を0から30に設定する

ylim=c(0,30)

# グラフの棒の色をブルーに設定する

col=“blue”

#ヒストグラムの階級を0.5~1.5, 1.5~2.5, 2.5~3.5,3.5~4.5,4.5~5.5に設定する

breaks=c(0.5,1.5,2.5,3.5,4.5,5.5)

# x軸のラベルをsample-x, y軸のラベルをfrequencyと設定する
xlab=“sample-x”
ylab=“frequency”

#軸のラベルのフォントの大きさを調整する(デフォルトは1)

cex.lab=1

# 軸のマージンを設定する。
以下の式の場合は、[1]軸からラベルまでのマージンが1.5, [2]軸からメモリまでのマージンが0.4, [3]軸から軸線までのマージンが0となります
mgp=c(1.5,0.4,0))

以上です。これらの関数くらいは日々毎日Rを使用する中で覚えてしまいたいです。後、Rで作成したグラフの背景を透明にする方法がわかりません。そもそも透明にできるのかどうかも分かりませんが、ボチボチ調べていこうと思います。