イマジネーションギャップを利用する 

授業でよく行われるコミュニケーション活動ですが、コミュニケーションとは、聞き手にメッセージを伝達したり、話者と話者との間で意見、知識、考えを共有したりするために行われる行為であると言っても差し支えないと思います。

三浦 孝, 中嶋洋一, 池岡 慎(2006) 『ヒューマンな英語授業がしたい』を読んだ感想になりますが、著者たちは、コミュニケーションを行うためには、話者と話者との間にギャップが必要であると述べています。ギャップには、情報のギャップ、意見・考えのギャップ、そしてイマジネーションのギャップの3点について述べており、特に3つ目の、イマジネーションギャップについて考えさせられました。

イマジネーションギャップとは、その名の通り、学習者の想像の違いに焦点を当ててコミュニケーションさせる方法で、具体的な活動例としては、「理想の男性像、女性像を表現しよう」という活動があるみたいです。イマジネーション・ギャップの良い点として、現実の世界の制約を受けずに自己表現活動が可能であるということがあります。著者も述べているように、同じ中学校の同じクラスの中で生活している学習者に情報のギャップがそう生じるものではないでしょう。しかし、学習者のイマジネーションは無限大であり、現実の世界の制約を受けずに、自由な発想を促すことが可能になります。そして、意外と中学生ならばノッてくれるのではないかなあと思います。

ただ、自分の考えを発表することになると思われるので、何でも言い合える雰囲気、リラックスした、そして間違いを認め合えるようなクラスの雰囲気の中で学習を進めることが期待されると思います。早速明日の授業でやってみます。

教科書の扱いを考える2

さて、Reading for Communicationについてです。

自分は、このパートについても、オーソドックス(?)に使用しています。つまり、

新出語句の発音・意味確認

教科書を一度音読

True or FalseとQuestions and Answersに取り組む

簡単に解説

音読練習(一斉→個人→Read and Look Up)

という流れで基本的には行っています。時々ですが、言語形式面をより重点的に押さえてほしいと思う場合は、日本語訳の虫食いプリントを配り、( )に適当な訳語を入れる問題を与えたり、大事な文だけ抜き出して和訳させる問題をさせています。

こうして書いていると「教科書「を」教える」レベルで終始しているように思えます。。。反省。ただ、学習者の習熟度にもよるかもしれませんが、中学生という英語の初級学習者においては、ある程度形式面の学習を保証してあげないと、内容が分からなくなってしまうという面もあるように思えます。

教科書の扱い方については興味のある分野でもあり、一番教えてほしい分野でもありますね。。。

教科書の扱いを考える

公立の中学校で教えている以上、教科書を如何に効果的に活用していくかは永遠の課題のように思えます。実践的コミュニケーション能力育成と基礎基本の定着の両方が求められる現在の英語教育において、教科書はどのように扱っていけばよいのでしょうか?

「教科書の扱い」という言葉から連想できる活動、キーワードには、以下のようなものがあるように思われます。

True or False, Questions and Answers, 音読、暗唱、教科書「で」教える、訳読、ピクチャーカード、新出単語、文法説明

自分の学校では、NEW HORIZONを使用しています。この教科書は三部構成になっていて、Starting Out, Dialog, Reading for Communicationというページに分かれています。(1年生はPart 1, 2, 3)これらのうち、Starting Outは新出文法事項を導入、練習した後の、文法事項確認のために使っているのみです。次のDialogは、以下のように行っています。

1)新出単語の発音、意味確認

2)教科書の一斉音読、または教科書を閉じてCDを聞く

3)True or False, Questions and Answers

4)重要なところの説明

5)教科書の音読(一斉音読→ペア音読)(時々個人読み)

6)教科書のダイアログの一部を代えて会話の練習

個人的に、訳読だけの授業にならないように努めているつもりですが、訳読、、というか、明示的な文法説明を完全に省くことはしません。議論はあるかもしれませんが、今の自分の担当している生徒たちには、明示的な説明があると、ある程度安心できる部分があるみたいです。

また、音読に関しても、せっかくのダイアログなので、ペアで音読することを最近取り入れました。これは後の、教科書のダイアログの一部を代えて会話の練習という部分にもつながり、個人的に気に入っています。6)の活動は、教科書の内容をパーソナライズする活動で、手軽な自己表現活動として使っています。例えばUnit7-2には好きな映画のジャンルと、好きな映画名を尋ねる文章があるのですが、生徒たちは自分たちが好きなジャンルを言い合ったり、好きな映画名を、英語を用いて楽しく教え合っている様子がうかがえました。

Reading for Communicationについては後日書きます。